南北海道教育臨床研究会設立趣意


         設立趣意書 1999年9月22日

 いま、子どもたちの世界が大きく変わろうとしています。不登校児童・生徒の数は全国で128,000人にもおよび、小学校で授業が成立しない、いわゆる「学級崩壊」も大きな社会問題となっております。
 また、少年非行も増加し、「戦後第4のピークを迎えようとしています。一方で、地域や家庭における教育力の低下も各方面から指摘され、さらには親の子どもに対する虐待も年々増え続けています。
 
 このような状況は、私たちが住む南北海道地域でも例外ではありません。子どもたちによる目立った事件はそう多くはないとはいえ、不登校や学級崩壊さらには子どもたちの非行に頭を悩ませている教育関係者は少なくありません。
 また、本来どこよりも安心して過ごせる場であるはずの家庭で、虐待に苦しむ子どもの存在も散見されています。
 このような子どもたちに対し、現在でも教育、保育、医療、福祉、少年保護、心理臨床などのそれぞれの専門分野で、子どもたちに対するさまざまな援助が行われています。しかし、それぞれの立場で子どもたちの援助に携わる専門家たちがネットワークを築き、情報交換を行いながらお互いの理解を深め合う場は、これまで必ずしも十分ではありませんでした。

 そこで、子どもたちの健全な発達に少しでも寄与するために、南北海道地域で教育保育、医療、福祉、少年保護、心理臨床などのそれぞれの分野で子どもたちの援助に携わっている専門家が一堂に会し、論議を深め、お互いに学び合う場として、ここに「南北海道教育臨床研究会」を設立いたします。
 私たちの趣旨を理解し、子どもたちのために共に学んでいこうとする専門家の皆さんのご参加を、心より歓迎致します。


Home    Next