蕎麦粉は収穫された場所、挽き方によって色・香り・手触り等の違いがあります。しかし、それぞれにそれぞれの個性があります。
私は手に入った蕎麦粉を握ってみる。そして打ったときの水回しの際の香りで、良し悪しを決めています。だからと言って食べたときも最高の評価を得るとは限りません。打つ腕にもよるのでしょうが・・・。でも打ち手だけが味わうことのできる蕎麦の香りは格別です。
水にこだわる蕎麦打ちの方を耳にします。私も水は、真狩や京極に出掛け、羊蹄山の湧き水を使っています。ニセコ・函館七飯の湧水も使いますが、水によって蕎麦の味に違いがあると実感するまでには至っていません。しかし、粉、水、腕の三拍子が揃ってはじめて、究極の手打ち蕎麦になるのは間違い無い事実でしょう。
![]() 北海道黒松内 |
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蕎麦打ちを始めてからいたるところの蕎麦粉を取り寄せ打ってみました。信州、戸隠、常陸秋蕎麦、東北各地…と。 今は、もっぱら北海道産(蘭越、幌加内)の石臼挽きを取り寄せ使っています。食べた方から「美味しい」と言われます。 |
北海道産
NEW ! 蘭越 ・黒松内産 |
15.11〜蕎麦イベントに使用。好評。抜きを石臼で挽いた粉。水で10割蕎麦が繋がります。この粉が私の蕎麦打ちの ベースです。価格も安くいい粉ですので… 近年、国道5号線沿いの以前牧草地や水田だったところに蕎麦を栽培しているのを目にします。黒松内町なので黒松内産かも・・・。また、蘭越に入ると減反後の水田に随分と蕎麦の栽培が目立つようになりました。蘭越産は「ふるさとの丘」や町の中心部にある農協の下のコープで販売しています。打ち粉付きです。 |
NEW ! 幌加内産 | ![]() そば打ちを始めた頃はもっぱらここの粉を使っていました。コープに注文したり、お土産に戴いたり、幌加内や札幌の蕎麦祭りで買い求めたりで随分打ちました。色が黒っぽい二番粉ばかりでした。コシがある粉です。幌加内は蕎麦生産日本一なので、ここの粉は間違いがないとの思いがありました。 今回、北村製粉の荒挽きの石臼挽き蕎麦粉は素晴らしい粉でした。これからも取り寄せたいと思います。何より主に誠意があります。ここが大事、これがあれば一層蕎麦粉にうまみが増します。私のイチオシしの蕎麦粉です。 |
NEW ! 新得産 | ![]() 蕎麦打ちを始めた頃によく打ちました。それは北海道の蕎麦と言ったら「新得」と思っていましたから・・・。お土産で戴いたり、鹿追に行った際、「新得そばの館」でも購入し打ちました。味の割には高価との思いがあるのですが・・・。 |
NEW ! 清里産 | ![]() 15.11〜北海道知床の清里産蕎麦粉です。非常に良い粉です。知人の娘さんが地元に在住とのことで頂きます。なかなか手に入らない、貴重な粉です。 |
函館亀尾産 | 町おこしの一環として、若者を中心にしてソバの種まき、花見会、収穫祭と函館市民に呼びかけ、話題を呼んでいます。今年(14年)の収穫祭では蕎麦打ちの指導と言うことで依頼があり協力しました。腰があり、余りの歯ごたえに堅いと思うほどでした。 |
厚沢部産 | 町に入ってすぐのコープで販売していました。10割りで打ち食べたが,甘みが強く美味しかった。ここでは蕎麦打ち道具も展示販売しています。また,すぐ近くの道の駅でも素掘りの練り鉢を販売しています。 |
上士幌産 | 帯広の学校の教師を している教え子が時々送ってくれます。なかなかよい粉です。 |
音更産 | 今年(14年)の新蕎麦を戴きました。黒っぽい3番粉の色をしていました。腰がありとても美味しい粉です。 |
鹿追産 | 13.10〜 蕎麦まつりに参加 西上農園のぬきの石臼挽きの蕎麦粉には惚れています。緑の薄皮を残した丸ぬきを石臼で挽いた粉です。打つ際には焦げるような強い香りがするのがたまりません。茹でると緑っぽい色で、喉越しも良く、コシはもちろんあります。余り蕎麦を好まない私にとって、「おいしい」と思う蕎麦粉です。 また、ここの打ち粉は真っ白で一番粉でとても良いものです。この蕎麦粉にはこの打ち粉がぴったりです。 農業振興公社でも送ってくれます。この粉は二番粉です。「ひきぐるみ」もありますが、非常に粘りのある粉で、水だけで10割蕎麦も簡単につながります。 農業振興公社が西上農園に吸収されることになりましたとの報道がありました。どんな蕎麦粉が出るのか興味があります。 |
江丹別産 | 価格は高い方ですが、とてもおいしい粉です。どの粉も良いのですが、特に石臼挽きは優れものです。偽装事件が発生したのは非常に残念です。農家の方々が気の毒です。 |
浦臼産 | 14.10〜 浦臼牡丹蕎麦まつりに参加 蕎麦まつりで販売していたのはロール挽きの3番粉です。色が真っ黒です。食べると蕎麦の香りが強く、コシもすごくありました。 普段、取り寄せているのは、「ぬき」を石臼挽きにした粉です。最近はもっぱらこの粉を打っています。食べた人の評価もすこぶる良く、水回しの際の香りの強さとその持続性は今まで打った蕎麦粉の中では一番です。もちろん、食べてもコシがあり、喉ごしも良く、味もとてもよい。鹿追産にも共通していますが、どちらも品種はボタン種です。 |
士別産 | 有機栽培の蕎麦粉を手に入れることが出来ました。価格も手頃です。浦臼産が切れたので最近はもっぱらこの粉を使っています。 |
知床産 | 余り良いとは感じませんでした。時間が経ちすぎ保存が悪く古くなったのかもしれません。 |
大雪産 | これも余り良いとは感じませんでしたが、やはり、保存の仕方が悪かったと思います。 |
清水町「目分料」 | 帯広の教え子のお土産や,鈴木氏が出張した際に購入してきてくれるなど随分打ちました。抜きを石臼挽きしたものでとても良い粉です。美味しい。 |
本州産蕎麦粉
NEW常陸秋蕎麦 | ![]() 15.11〜 茨城の農園からインターネットで求めました。素晴らしい粉です。さすが銘 柄品と思いました。香り、コシ、甘み…全て抜群! 15. 6〜 美味しいと評判なので製粉会社からインターネットで取り寄せました。いつも使っている北海道産の石臼挽きと比べ、打ったときの香りもなく、味も腰も今一でした。少し、期待はずれと感じました。 |
信州産 | 14.12〜 PTA会長がインターネットで取り寄せてくれました。霧下蕎麦粉とのこと。極めておいしかった。今まで打った蕎麦粉の中ではトップクラスでした |
戸隠産 | 札幌の弟が取り寄せてくれました。この粉も腰があり喉越しも良くすごくおいしかった。 |
岩手産 | 職場の仲間が旅行で出かけて買ってきてくれました。田舎蕎麦でした。蕎麦の風味がとてもありました。 |
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@ 蕎麦粉と割り粉をよく混ぜる。 私はビ二ル袋に入れて混ぜます。その後、篩にかけます。 割り粉・・・強力粉か中力粉。薄力粉は繋ぐ力がないのでだめ。初心者は強力粉が良いでしょう。 強力粉はスーパーで売ってます。 ・初めて挑戦する量としては、蕎麦粉400g、強力粉100g。水は粉全体の43%を用意します。 この量で5人分あります。 * 写真の量は2キロ、20人分です。 |
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A 水回し・・・粉に水を均等にしみこませること。 この工程が一番大切です。 ・最初に水全体の半分を・・・パン粉のようになる。 ・次に残りの水の半分を。 ・硬さ (耳たぶの硬さが良い) により、残りの水を入れる。 水を入れすぎて軟らかくし過ぎると失敗です。粉を足すことは出来ません。硬かったら、まとめてから水を入れると少しは軟らかくなります。絶対に水をいれ過ぎないことです。 生地を両手で縒り、折り曲げて切れ目が入らなかったら良しとします。また、やり初めの頃は蕎麦の生地同士がくっつくまで辛抱強く練ると失敗はないでしょう。ただし、余り時間を掛けすぎるのは禁物です。 |
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B 練り・・・腰を入れて、練ることによりコシのある蕎麦になると言われます。 ・腕の力でなくて、体重をかけるようにすると良いでしょう。よく回数をたずねられますが、100回が目安です。 生地がなめらかになるのが終了のめやすです。やればやるほど良い訳ではありません。また、余計な力が入らないよう腕が真っ直ぐ伸びることがポイントです。 コシがあるとは弾力性があり、歯ごたえがあることです。あるいは歯ざわりがよいこと。硬いのとはちがいます。 |
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C 菊練り ・練りが終わりに近くなったら、次が菊練りです。そば玉内の空気を絞り出すためにやります。 ・面倒な作業であるが菊の花にこだわることはありません。苦手の人が多いようです。 |
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D へそ出し ・そば玉の中におりこんだ空気を抜くためにやります。 円錐形にする。次の地のしにつなげるために大切。 生地にしわが無いようにすることです。 |
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E 地のし ・両手で生地を回しながら、平らにする。縁をつぶさないように注意しましょう。 ・直径30cm程度にする。 あくまでも、平らな面になるようにすることがポイントです。 |
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F 丸出し ・麺棒を使い、生地を回転させながら円を大きくする。この時麺棒は手のひらでなく、握った形でその中で回転させる。 ・生地を回転させながら丸く伸していくが、回転角度は30度くらいが良い。角度を大きくすると、円がくずれる。円でなくなると次の角出しが困る。 ここで大事なことがある。麺棒の回し方である。写真のように折り曲げた指と手の甲の間で回転させるようにする。ここだけが事前に練習しておくと良い。 ・直径40cm程度にする。 |
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G 角だし ・円い生地の4つの角を出して、円だった生地を正方形にすること。 ・生地を麺棒にしっかり巻いて、数回ずつ回転させる。4つの面を出すが、回転数のバランスで限りなく正方形に近づくことが出来る。 麺棒にしっかりと巻くようにする。 |
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H 本のし ・麺棒で生地を薄くのす。長方形の形にのす。打ち粉を忘れないように。 ・乾燥しないように、麺棒に巻きながら均等にのす。できたら麺棒を3本使ってやりたい。 ・横75cm、縦65cm、厚さ1.2mmほど(1円硬貨の厚さ)になると良い。 この段階が一番時間がかかる。しかし、乾燥を防ぐのには一番時間をかけたくない工程です。 |
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I 折 り ・長方形の横を半分に折り重ねる。次に縦、縦と折る。 折り方を間違うと蕎麦が短くなってしまう。 |
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J 切 り ・こま板を当てて、打ち粉をたっぷり降り、均等に切る。 ・1.2から1.5mm幅で切る。 マッチ棒の芯の太さが理想と言われます。切りが難しいと思う人が多いようですが、切りは現在より下手になることはありません。しかし、水回しや延しはベテランでも失敗することがあります。回を重ねることで切りは上達しますので心配はいりません。。 |