平成20年度 事 業 報 告(その5)
第5回 学習会から
函館市内のメンタル・クリニックがとても身近になりました!
11月22日(土),サン・リフレ函館を会場に,函館心理士会と共催で行われた「精神科デイケアからの発信」は,計42名の参加を得て,実り多いひとときとなりました。
はじめに,函館渡辺病院附属ゆのかわメンタルクリニックの臨床心理士,河村貴仁氏
よる基調講義の中で,「精神科デイケアの概要」やその利用者の大半を占める「統合失調症」について,加えて,デイケアの対象となる「精神障碍者」の「碍(がい)」という漢字の読み方・使い方も含めて多くの学びがありました。「精神障碍は環境の影響を受けて変化しやすいことから,周囲の働き掛けが治療・リハビリにつながる」という提言を重く受け止めたいと思います。河村心理士が精選して提示してくださった「統合失調症」について,下記のコラムにまとめましたので,ご一読ください。
続いて行われた「特別座談会」,心理士会代表佐賀美恵子先生の司会で進められた市内のメンタル・クリニック等に勤務する臨床心理士の方々のお話も興味深いものでした。市立函館病院の浅利心理士,函館市適応指導教室の小川指導員,亀田北病院の川崎心理士,五稜郭メンタルクリニックの洞野心理士,富田病院の中里福祉士,かとうメンタルクリニックの山崎心理士の具体的な発信は,河村心理士の提唱する「社会にベットを持ったホスピタル:いつでも来られて,いられる場所」,「何かをするためのデイケアから,いるだけでもいいデイケアへ」の道筋を示してくれました。「あることは知っていても,中身が分からなかった」デイケアが身近なものになりました。心理士会の皆様に心より感謝です。
【統合失調症のミニ・ガイド】
□差別・偏見が根強い:このことが障碍者の「逃避的・自閉的」な生活を導いています。
そして,適切な受診を躊躇させ,社会参加の機会を奪ってしまいます。
本人の生き方そのものが,障碍形成に影響を与えるのです。
□早期治療が必要:統合失調症は,治療の遅れ,再発を繰り返すごとに回復は難しくなります。
統合失調症の神経伝達物質の以上は,脳細胞を損傷し,脳の機能的・構造的な異常をもたらします。
その損傷は,「発症後5年間」激しいので,早期に抗精神病薬を服用し,治療を開始する必要があるのです。
□「ありふれた病気」:統合失調症は,障害罹患率:1%程度です。
原因は不明ですが,遺伝負因 も否定できません。
思春期以降に特有の精神病症状で発症し,寛解しても再発 を繰り返す「履歴現象」が見られます。
□「認知力」障碍:統合失調症は,「物覚えが悪い・人のいうことが理解しにくい・融通が利かない・要領が悪い
・2つのことが同時にできない・スピードについていけない・集中力や持続力に乏しい・心身ともに疲れやすい
・些細なことに傷つきやすい・人の表情や心が読めない」等の「精神作業能力(認知)」の低下を示します。
【連 絡・お 知 ら せ 】
今年度の年会費を未納の方は納入をお願いします。会費は例年通り3000円です。
現在,70名(学生会員7名を含む)の方からの納入がありますが,今年度事業が後半
に入ることからご協力をお願いしたく存じます。
郵便振込または学習会参加の折にお持ちいただければ幸いです。
振込番号は,郵便振込 2750-0-37466 :南北海道教育臨床研究会
<南北海道教育臨床研究会事務局>
〒041-0812 函館市昭和1-11-1 TEL・FAX:0138-45-2439
小岩眞智子(*自宅が事務局となっています)
・Eメール:k-rinsho@sea.ncv.ne.jp
・ホームページ:http://www2.ncv.ne.jp./˜kojina/rinsho/
・函館市の学校メールをご使用の方は,中部小学校:片桐由博教頭までお届けください。